私の青春、君の人生
ひとしきり騒いだ後は、みんなで外へ移動する。
ん?
なんだろ?
何気なく自分の机の中に手を入れたら、何かが触れた。
「梨佳行こ!」
美月に声をかけられ、反射的に出しかけていたものを机の中へ押し込んだ。
「ちょっと先行ってて!すぐ行くから」
美月には先に行ってもらい、みんなが移動し始めているなか、そっと机の中から取り出す。
キレイにラッピングされた袋の中には、チョコが入っていた。
なんだろう……
胸騒ぎがする。
なぜだかこれがとても大切な物に思えて仕方なかった。
ゆっくりとリボンを引っ張ると鼓動はどんどん加速する。
緊張が走る。
水の中に入っているみたいに耳に膜がはっているような感覚になり、頭がぼーっとしてきた。
周りの音は、聞こえない。
目の前の袋に全神経が向いている。