私の青春、君の人生
「そろそろお客さん入ってくるよ〜」
どっからかそんな声が聞こえて、もうそんな時間か、と気づいた。
「よっしゃー!ガンガン売り上げるぞ!」
冬馬が叫んで、それに続いてみんなが叫んだ。
文化祭は思ってたより忙しく、ずっと走り回ってた。
休憩時間、美月と一緒に回っていると、一瞬だけ冬馬が後輩の女の子と喋ってるのが見えた。
あの子、冬馬と仲良いバスケ部子だ。
たしか、美咲ちゃん……?だったかな?
もう引退したけど、冬馬は元バスケ部。
誰とでも同じように話す人だってことはよくわかってるけど。
やっぱりモヤモヤする。
「梨佳、ちょっとトイレ行ってくるから待ってて」
「おっけ」