私の青春、君の人生




なんとなく教室に戻ろうと歩いていると、隼斗と廊下で会った。




「おう梨佳。聞いてよ、俺シフト入りすぎじゃね?まじブラックだろ──ってどうした?」




あたしの異変に気づいたらしく、隼斗がしゃがみ、顔を覗き込んできた。




その瞬間、涙腺が壊れボロボロ涙が止まらない。




「え、梨佳っ?またなんかあったか?」




「ごめん。違う。なんでもない」




明らかに動揺する隼斗に、文章になっていない言葉で謝り、横を通り過ぎようと右へ踏み出した。




が、それは隼斗の腕によって制止された。




隼斗の左腕が、あたしの前に出て右肩をつかんだ。




「その状態でどこ行くの?お客さんもまだいるよ。ついてきて」


< 42 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop