私の青春、君の人生
なにを言っても傷つけそうで怖かった。
「そんな笑顔で笑わなくていいよ。今は泣きな。あたしには遠慮しないでいいから」
辛い時に無理やり笑うこと、心の行き場のない感じ、あたしは知ってるから。
「今日はいっぱい泣け!そして明日はカラオケだ!」
お〜!とあたしが腕を上げると美月は笑ってくれた。いつもの笑顔で。
そして、あたしに飛びついて痛いくらい抱きしめてきた。
「ありがとう梨佳ぁ」
そしてあたしたちは小さな子どもみたいに、2人で手をつないで帰った。
暗闇の中、でっかい声で歌って、嫌なことをかき消しながら。
空にはまん丸の月。
月明かりが行くべき道を照らしてくれる。
真っ直ぐ前を。