私の青春、君の人生
薄暗い部屋で向かいに座る美月の目は、赤く腫れている。
昨日、帰ってからも泣いたんだろうな。
「あ、あたしこと曲好き〜」
無理やり笑ってた昨日とは少し違うから安心。
今日は健吾の話は出さず、思っきり楽しもう。
2人で大声出して、点数競って、たくさん笑って。
「あたしさ、昨日健吾に『健吾と気まずくなるのは嫌だから友達でいてもいい?』って聞いたの。そしたら『俺も平野とは気まずくなりたくない』って」
歌う曲がなくなってきたころ、ジュースをストローでかき混ぜながら話し出した美月は、どこか清々しく見えた。
「そりゃ近くにいたら忘れたくても忘れられないし、辛いことも多いだろうけど。話せなくなるほうがもっと辛いと思うんだ。あたしは4人でいるのがほんとに好きだから」