私の青春、君の人生
「よろしく、梨佳。俺も隼斗でいいから」
ニコッと笑ってみせた。
あ、八重歯。可愛い。
この人はあたしとは程遠い世界の人なんだろうな。
笑顔を向ける隼斗を見てそう思った。
あたしもぎこちなく笑顔を返して、前を向いた。
「じゃあ早速だけど、小テストやるからな〜」
クラス中からブーイングの嵐。
「え、まじで?」
後ろから小さな声が聞こえた。
「先生に知らされてなかったの?」
後ろを振り向き聞いてみると、
「聞いてないよ〜!早速バカがバレる……」
思っきり眉を下げて凹む隼斗。
こんな顔もするんだ……。
思ってたより絡みにくい人ではないのかもしれない。
「大丈夫だよ、このクラス勉強できない人ばっかだから」