私の青春、君の人生




「よろしく、梨佳。俺も隼斗でいいから」




ニコッと笑ってみせた。




あ、八重歯。可愛い。




この人はあたしとは程遠い世界の人なんだろうな。




笑顔を向ける隼斗を見てそう思った。




あたしもぎこちなく笑顔を返して、前を向いた。





「じゃあ早速だけど、小テストやるからな〜」




クラス中からブーイングの嵐。




「え、まじで?」




後ろから小さな声が聞こえた。




「先生に知らされてなかったの?」




後ろを振り向き聞いてみると、




「聞いてないよ〜!早速バカがバレる……」




思っきり眉を下げて凹む隼斗。




こんな顔もするんだ……。




思ってたより絡みにくい人ではないのかもしれない。




「大丈夫だよ、このクラス勉強できない人ばっかだから」




< 8 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop