私の青春、君の人生





ドンっ───





一気に視界が反転した。




「梨佳!!」




誰の声?




目を開けると、チームメイトがあたしの上から急いで体を起こしているところだった。




「大丈夫、大丈夫」




立ち上がろうとした時。




バランスを崩して、倒れてしまった。




足 、くじいた……




「俺、こいつ保健室に連れてくね」




あ、さっきあたしの名前呼んだ声だ。




その瞬間、体が急に浮いた。




状況を理解するのに、たっぷり2秒。




されるがまま、体を持ち上げられ、横を見ると。




「隼斗!?え!なんで!?」




隼斗にお姫様抱っこされている。




「いい!大丈夫だから下ろして」と懇願するも。




「足、くじいてんじゃん」




周りの目なんか気にせず、スタスタ歩いてく。




後ろからは女子の悲鳴と、男子の冷やかしの声。




恥ずかしすぎて、あたしは隼斗に担がれたままずっと下を向いていた。



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