私の青春、君の人生
「運んでくれたのはありがたいけど、あんな目立つ運び方しなくてもいいじゃん!」
保健室に連れてこられ、イスに座らされたあたしは、湿布を探している隼斗の背中に声をかけた。
体育館の賑やかな声が、遠くに聞こえる。
試合、大丈夫かな……?
「……あ、あった」
隼斗は湿布を持って、あたしの前に来てしゃがんだ。
「ねえ、聞いてる?」
目の前にある隼斗の頭をポンポン叩いた。
うざったそうに手を払いのけ、あたしを見上げて睨んだ。
あ、またこの感じ。
目がそらせない。
この瞳に吸い込まれそう。
「俺がそうしたかったからそうしただけ。お前は感謝だけしとけ」
そう言いながら、あたしの足に湿布を貼ってくれた。