COLORS~Blue~
『じゃあね。霧島クン』


そんな俺の気も知らずに。
笑顔で透子さんがいなくなる。


『…………………』


婚約者。
鷹梨さんと、寄り添い合って…。


夢の中。
どうせ、現実じゃない。
だったら思いきり。
言いたいことを言って、やりたい放題やればいいのに。

夢の中でまでも、俺は透子さんにいい印象を与えたいんだろう。

ただ黙って。
そんな二人の背中を、ただ見送っていた。

現実と同じ。
何も出来ずに…。

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