COLORS~Blue~
理由は、わかってる。

今日は。
忽那の家でも、いいお茶を点てることは出来なかった。


「…すみません」


集中できてないし。
何より。
気持ちが不安定だ。


「忽那のお嬢さんに稽古をつけてるそうだが。こんな状態じゃ、失礼じゃないのか?」
「…はい」


さすがに返す言葉もなく。
俺は素直に頷く。


「もう一度。集中して、点て直しなさい」
「…はい」

< 227 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop