COLORS~Blue~
―コトッ…

さっきよりは集中して点てたお茶を、父に差し出す。

父は、手順通り茶碗を持ち。
それを口に運ぶ。


―稽古がかかってる


思うと。
少し緊張した。

父の表情は。
良くても悪くても、いつも変わらない。

いつものようにひと口飲んで。
いつものように、茶碗を静かに置くと。


「…まぁ。いいとしよう」

少し険しい表情ながらも。
頷いた。

父のいつもの。
合格点。

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