COLORS~Blue~
「ありがとうございます」


俺はホッとして。
父に頭を下げながら、思わず頬がゆるんでしまった。


「涼佑」
「っはい」
「今の時期は、色々と心を乱すことがあるかもしれない。…父さんもそうだった。でも。茶室に入ったなら。それを表に出してはいけない。わかるな?」
「はい…」


最初に点てたお茶と、二度目に点てたお茶で。
父は何かを察したのか…。


「じゃあ、もう一度」
「はい」


こんなふうに、ちゃんと言葉にしてくれるのは珍しく。

三度目に点てたお茶は。


「ん…」


いつものように、ただ静かに頷いた。

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