COLORS~Blue~
「この子も言い出したらきかないから」
「ママ譲りでね」


透子さんは、少し遅くなるらしく。
まだ帰ってなくて。


「今度はお姉ちゃんが稽古だね」
「何だか申し訳ないわね。立て続けに…」
「いえ…。むしろ、僕が感謝したいくらいです。初めての生徒さんになるので」
「そう?」
「はい」
「そっか。お姉ちゃん、初めての生徒なんだ」
「こんな年下で、申し訳ないですけど…」


3人で囲む食卓。
もともと俺の居場所じゃない、わかってはいたものの。


―明け渡したくない


思ってしまう。

明日から。
ここに座るのは、鷹梨さん…。

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