COLORS~Blue~
「隙なんて。あるのかな…」


ポツリと。
独り言を呟きながら、見えなくなるまで透子さんの車を見送って。

俺はまっすぐ、離れの茶室に向かった。

こういう時こそ。


―お茶を点てよう


思って…。

メンタルから強くならなきゃ。
いくら透子さんの隙をみつけたところで、男としてなんて、見てもらえない。

いつでもちゃんとしたお茶を点てられないようじゃ。
透子さんに稽古をつける資格もない。

生徒をとる資格も…。

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