COLORS~Blue~
だからこそ。
ここで気落ちしてても始まらない。
ただ時間が過ぎて。
透子さんは、ほんとに手の届かない人になってしまう。

鷹梨さんの、ものに…。


でも。
もしほんとに、


―ただの気の迷い、だったら?


もしほんとに、そうだったとしたら。
俺が動くことで。
透子さんを苦しめることになる。
透子さんの幸せを、壊すことにも…。

俺は、


―どうすれば…?


その時。
透子さんがお茶を点て終えて、茶碗が差し出されて。

俺はハッとして、茶碗に手を伸ばす。

< 296 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop