COLORS~Blue~
そう。
今は稽古中。

透子さんに認めてもらう為にも。


―集中しなきゃいけない


とりあえず、頭を切り替えて。
透子さんの点てたお茶を、口に運んだ。
運んで。


「っ──」


思わず、俺は透子さんに目をやる。

透子さんは、いつも以上に落ち着いていて。
手順も点てかたも、完璧だった。

でも───。


「もう一度…」
「えっ?」
「もう一度、点ててもらえますか?」
「あ、はい…」


俺の、勘違い?
もし、次に点てたお茶もそうなら。


―もしかしたら…

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