COLORS~Blue~
俺は。
まだまだ半人前だけど、茶道家で。

もう一度お茶を点てる透子さんをみつめる。

先週教えたところも完璧。
手順も、手際もよく。
透子さんはお茶を点てる。

そして。
差し出されたお茶を、口に運んだ時。


「────────」


俺は。
確信した。

やっぱり。
俺の勘違いなんかじゃない。
透子さんの気持ちは。


―乱れてる


味は。
小手先だけではごまかせない。

特に。
舌の肥えた相手には…。

祖父や父に免状を与えられた俺も。
伊達じゃない。

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