COLORS~Blue~
「忽那は?」
「私?私はこれを置きに」


手に持ってたのは、和菓子の包み。
今日の部活用なんだろう。


「それって」
「ん。霧島に教えてもらった和菓子屋さんの。みんな気に入っちゃって」


透子さんに初めてお茶を点てた日。
俺が持っていった、和菓子屋の包み。


「うちでもそうだよ。お姉ちゃんが、仕事帰りによく買ってきてくれて」
「いいだろ」
「うん。さすが、霧島家の御用達」


透子さんが、と、なにげに顔がほころぶ。

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