COLORS~Blue~
躾は厳しかったけど、父も母も厳しいだけではなく、愛情を注いでくれてるのはわかったし。

お茶の稽古を、嫌だと感じたこともなかった。

むしろ、シュンシュンと音をたてて沸く、お湯の音が好きだったし。

人間国宝にまでなった祖父が点てるお茶の音や、父が点てるお茶の音も。

あのリズムが、俺には心地よかった。

生まれる前。
母の胎内にいた時から、聴いていた音だからかもしれない。

俺は霧島の名を絶やさぬよう。
継ぐことに、なんの抵抗もなかったし、それを重圧に感じることもなかった。

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