君が好きだと叫びたい
君が好きだと叫びたい
蒸し暑い夏の、帰り道。


「ミノリ!ランドセル、開いてる。」

「えっ、ごめん。ありがとうっ」


幼なじみの女の子、神崎 実は額に汗を滲ませながら、慌ててランドセルを肩から外し、フタを締め直す。


ほんわりしていて、ドジとまではいかないがどこか支えてやらないといけない雰囲気を醸し出すこの幼なじみは、男心をくすぐるのが上手い。

「タクトくんは、優しいね。」


ま、本人にその自覚は無いんだろうけどな。


「別に。じゃ、俺の家コッチだから、気を付けて帰れよな。」


ふわふわとした足取りでコンクリートの上を歩き、住宅街を進む神崎 実にそう告げ、俺は自宅に帰った。


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