君が好きだと叫びたい
会いたい、今すぐ。


ミノリの天真爛漫な笑顔が見たい。


もう、気付いてしまったんだ。

日常がモノクロになってしまった原因に。


この、恋心に。


ミノリが隣に座って笑いかけてくれる日常が、当たり前になっていた。


けれどそれが恵まれた環境が積み重なって作り出された奇跡だったと気付いた時には、もう既に俺の隣は空席で。


「くっそ、苦しい。もう、我慢の限界だ。」


好きだって、言っちまいたい。


「なんで、アイツに会えなくなっただけで、こんなに虚しいんだよ。」



君が好きだと、叫びたい。


《今度の日曜日、予定無かったら会わないか》、孤独な切なさに耐えきれず、そんな文章を打ち込んでいると。



《今度の日曜日、ヒマだったら会えないかな。》


ミノリからも、同じようなメッセージが届いた。


タイミング凄いな、と思わず吹き出しながら、俺は逸る胸を抑え付けて返事を返す。



《さすが幼なじみ。気が合うな、俺も同じこと思っていたよ。》、と。

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