君が好きだと叫びたい
どうして、先輩の顔がこんなに近くにあるの?


さっきまで、漫画見てたじゃない。


なんで、私と先輩がキス、しそうになってるの?


「やめっ、」

嫌がってありったけの力で身体を引き剥がせば、そのまま力任せに押し倒されてしまった。


ダンッ、と背中に衝撃が走るのと同時に、村尾先輩の金髪と熱い吐息が、頬を掠める。


「やめてください!」

「良いじゃん、ちょっとくらい、」


付き合っても、いないのに。

先輩の体重が、嫌悪感と共に全身にのしかかる。


「良いわけ、ないじゃないですか!」

出会ってまだ2か月で、お互いを深く理解している訳でもないのに。

どうして、こんな酷いことができるの?


「は?男を部屋にすんなり上げたミノリちゃんが言う台詞かよ、それ。」


「えっ、」


その言葉で、時が止まったかのような感覚に突き落とされた。

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