私が出逢ったキセキのかけら
同情なんて、されたくない。

何を知ったように、ほざいてんだ。

綺麗事、ぬかしてんじゃねーよ。


何か言われたら、そんな捻くれた言葉しか出てこない。

そんな、自分が嫌で仕方なかった。


何でこんな目に遭わなくちゃいけないのか。

どうしてこんな、大変な思いしなくちゃいけないの?


どうして、あたしだけ?


そんな言葉で、心が泥を塗られたように汚くて、ボロボロで……。


そんな救いようのない心を救ってくれたのが、莉桜だった……。
自分の気持ちを押し殺してまで、人の幸せを願っている……、それが、莉桜だった。


莉桜を見ていると、あたしの悩みなんて、所詮、ゴミクズ以下だ……。


そんな事を、思ってしまうほどに───。


でもあたしがそれを言うと、そんなおおそれた事はしていないと、当たり前のことをしたまでだと、そう言いきっている莉桜をみて、あぁ、この子は強いな……。


そんなことを思ったときもある。

いや、今でも思っている。
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