私が出逢ったキセキのかけら
「瑠奈……」

「まぁ、とにかくっ!話したいことは、いっぱいあるんだ」


あたしは明るい声でそう言った。


「自分を責める子だから、どうせあたしが死んだのだって自分のせいだって思ってるし」

「瑠奈」

「もう、ホントにヤだね~」

「瑠奈!」


優弥の声を遮っていたが、もうそれを、許してくれないらしい。


「瑠奈、泣きたいなら泣けよ……」

「そんな、泣くなんて……」

「目にいっぱい涙ためて、我慢する必要なんてねぇじゃん」


あたしは、優弥に言われて、初めて気がついた。


「泣きたいときくらい、泣けばいいじゃん。泣けばいいんだよ。悲しかったら、泣けばいい。いくらでも泣けばいい。泣きやんだ後、笑えるように。いくらでも、泣けばいいんだ」


優弥のその言葉に、自然と涙があふれてきた。
< 46 / 82 >

この作品をシェア

pagetop