3月のパンタシア

学校にて

「この間はありがとう」「楽しかった」緑がそういうと、裕子は「満足してくれたらいいよ」「満足してくれたらそれが私の喜び」そういって裕子は、微笑んだ。


「なんか久しぶりだったね司とああやって話すの」「うん」「さびしかったんだ私すごく」緑はそういうと校庭を見やった。


校庭では今日もサッカー部が忙しくはしってる。

「司もずっとサッカーやってたね」「うん」「私ずっと緑が彼だけを見てたの知ってる」「えっ?」

「だから、緑が司のことを好きなの、ずっと好きなの知ってる」「えっ」

「気づいてないと思ってた」「気づいてたよずっと」「そっか、気づいてたか」「わからないでか」そうやって裕子はおどけた。

(心のなかで私も小学校3年生から彼が好きだったの)とは言えなかった。

「もてるもんね、司は」「もてるよね」「ライバルだらけ」「うん」

蓮見先輩といい、緑といい、いい女はみんな司が好きなんだ。

私もだけど・・・・・・・・・・・・・・・・

「きっと司、緑が好きって知ったら喜ぶよ」「だって緑きれいだもん」「しっかりしてるしさ」「そうかな」「でも司には蓮見さんが」「あんなん目じゃない、緑のほうがずっときれい」

そういいながら内心裕子は(素直じゃないな)って思いながら、どうして{私も彼を好きなの}っていえなかったんだろうって思ってた。




< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop