3月のパンタシア
それ以来司は留守電で居留守をつかうようになった。

のいろーぜになったのだった。

あまり心配で、司の家まで出かけて行った。

そこには痩せ細った青白い顔の司がいた。

話しててもわかる彼がノイローゼになって精神的においこまれているのが。


ある日蓮見先輩を呼び出して、裕子は階段から突き落とした。

ギャッ声とともにだだっと落ちて行った。

下についた先輩の顔を見たら鬼のような形相をしていた。

「何するの」「痛い」


計画道理子供は下りた。

「司が苦しんでたの」「あなたさえいなければ、この夢はかなうのよ」裕子のなかで

何かがプツンと切れる感じがあった。

「あなたさえいなければ、この夢は守れるの」

あふれ出した憎しみ、彼女も苦しんだかもしれないけど司も苦しんだ。

はっと我に返った。

「私なんてことしちゃったんだろう」がたっ。


走り去る裕子の鼓動は高くなっていた。自分がどれほど恐ろしいことをしたかわからない。


その夜怖い夢を見てうなされた。(ごめんなさいごめんなさい)はっと気づいて起きたら、汗びっしょりだった。


そのあと学校に行った。司はまだノイローゼで学校をかれこれ3週間休んでいた。


その日の夕方、裕子は学校の窓から下に飛び降りた。


黒板には「私も司が好きだった」それだけ書いて消そうとしたのか文字がかすれてた。

多分裕子はまもりたかったんだね、お通夜の席で緑はそうつぶやいた。


司を守りたかったんだよ。

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