3月のパンタシア

どうするの??司

家に帰って、司に電話した。

「先輩、泣いてたよ」と伝えた・・・・・・・・

泣きじゃくってたよと伝えた。
「相当悲しかったんじゃない?」「先輩、遊びだったってわかったって」「司のこと本当に好きだったんだよ」

「どうするの司」「産みたいって言ってるよ先輩」「キチンとしなきゃだめだよ」「そんなんでパパになれるの?」

「俺いつパパになるなんて言った?」「えっ」「おろしてもらうよ」「ひどいよ司、ひどすぎる私の知ってる司じゃない」「そんなの司じゃない」


そう言い放つと裕子は、勢いよくドアを開けて走って言った。

そのあと、蓮見先輩に電話をした「先輩、言いにくいんだけど伝言おろしてって」「おろして?」「ひきつった顔でこちらを見た先輩の目にみるみる涙があふれてくるのに気付いた」

「大丈夫ですか?」「もう一度キチンと話し合ったほうがいいですよ」「そうかな」「でもおろしてって言ってるんでしょ彼は?」「うん」

(また脳裏に降りちゃえ)怖い考えが浮かんだ。

自分のお人よしさに腹が立った。

こんな時にでもあのバカ男のこと考えてる。

蓮見先輩のほうがずっと彼のこと好きなのに、蓮見先輩のほうがずっと悲しいのに。

私なんかただの幼馴染で・・・・・・・・・・・・・・

うじうじしてる自分がすごくいやだった。「わたしも彼が好きなの、おろして彼の為に」そういえれば楽だった。
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