3月のパンタシア
何か、自分の知らないところで、司がどんどん遠いところに行ってしまうような気がして仕方なかった。

3歳も年上の人とつきあって、知らない人達と一緒にいる、どんどんどんどん遠いところに行ってしまいそうな気がして悲しかった。

昔の、私たちはいっつも3人一緒にいて楽しかった、何にも秘密がなくていつも秘密を共有して。

それが最近じゃどんどん、秘密を持ち、私たちの知らないところにいってしまいそう。

「司、蓮見さんから手紙」「ああ、ありがとう」「なんか最近良くくるね蓮見さん」「うん」「彼女は僕に夢中だから」「夢中ね!」「おのろけなんて聞きたくないわ」「事実を言ったんだ」「事実ね」「事実か」

(正直に言えればいい、淋しいってどっか遠くに行きそうで司が淋しいって)

変に意地はっちゃって、変に強情になっちゃって。


言えないよね(淋しいなんて)


こういう時自分が蓮見先輩に比べて本当に子供だって思う。

彼女は素直で、ストレートまっすぐな性格してる。

私みたいにくよくよしないしね、大人なんだっよね多分。

さっぱりした、サバサバ系の女子それが蓮見先輩。

「渡したからね手紙」「うん」「確かにもらった」「OK!」「お前は外人か」「欧米か」「の間違いじゃね」
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