BLACK DOBER --君だけに--
「こいつがここのリーダーの天翔っていって…あ、僕の紹介もしてないねー。僕は柊 冬弥(ひいらぎ とうや)。きみは?」
「市原 真理亜」
そう言ったのは私ではなく、天翔だった。
「あれ?知り合い?」
冬弥はびっくりした顔で私たち2人の顔を見る。
「いや、俺はこいつなんて知らねぇ。」
天翔はふてくされて目をそらす。
「私も知らない。」
冬弥は困った笑顔で二人の間に立ちすくしている。
「まぁ、何があったか知らないけど今日は祝宴だよー!」
冬弥がそう叫ぶと倉庫にいた者全員が歓声をあげる。
「だから、そんな怖い顔しないの。ね、2人とも仲良く!」
そう言って冬弥は私たちを置いてビルの方へと向かった。