闇喰いに魔法のキス
私は、ばっ!と男性達の方へと体を向け、彼らの話に割り込んだ。
「今の話、本当ですか?!情報屋に依頼をすれば、闇の情報が手に入るって……」
すると、男性達は驚いた様子で私を見た後、口を開いた。
「あぁ。俺も会ったことはないんだが、情報屋の腕は一流らしいぞ」
「確か、この先の裏通りの奥にある酒場に通っているって噂だ」
私は、目の前に道が開けたような気がした。
情報屋さんに会うことができれば、ギルの話もシンの話も聞けるかもしれない
「裏通りの酒場ですね!ありがとうございます…!」
私は男性達に頭を下げると、急ぎ足で裏通りへと歩き出した。
“黒き狼”
凄腕の情報屋がいるなんて、初めて聞いた。
もう一度…ギルに会う方法が見つけられたら。
私は小さな期待を胸に、確かな足取りで進んでいった。
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数十分後。
私は薄暗い路地を歩いていた。
普段、裏通りなんてめったに足を踏み入れないけど…なんだか人通りも少なくて、街の中心部とは全く違う世界みたいだ。
少し歩くと目の前が開けて、やがて一軒の赤い屋根の店が見えてきた。
周りは石造りの道。酒場の看板が出ている。
街中に並ぶ新しい建物とは違い、その酒場だけ少し古い建物のようだ。
こんな所があったなんて……。
ドキドキと胸が鳴り出す。
そして私は、緊張しながら酒場の扉に手をかけた。