「一体、何を買ってきたんですか…?」

あたしがそう聞いたら、
「服とかアクセサリーとかお菓子とか、とにかくいろいろと買ってきた」

朝比奈さんが答えた。

「あっ、それって…」

彼が指差した方向に視線を向けると、あたしの手元にあるポインセチアの花束だった。

「これは、その…誕生日プレゼントだからと」

どう説明すればいいのかよくわからなくて、何より見られてしまったことに、あたしは戸惑うことしかできなかった。

「ああ、そうなんだ」

朝比奈さんは返事をした。

わずかな説明だったのにも関わらず、彼は理解をしてくれたようだ。

それに対してあたしは、申し訳なさで胸がいっぱいだった。

――あたしは一体、何をしていたのだろう…?
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