恋
視線を向けると、時計は11時を過ぎたところだった。
「日づけが変わっていないから、まだ誕生日だよ」
朝比奈さんが言った。
ポンと、彼の手があたしの肩に置かれた。
初めてあたしに触れたその手は華奢だけど、骨張っていて男らしかった。
その手を見つめていたら、
「誕生日おめでとう、小春ちゃん」
朝比奈さんがそう言ったので、今度は彼の方に視線を向けた。
微笑んでいる彼の顔がそこにあったので、
「――ありがとうございます、朝比奈さん…」
呟くように、あたしはお礼を言った。
「今日はもう遅いから、明日改めてお祝いしよう。
今日は小春ちゃんに“誕生日おめでとう”って言えたから充分だよ」
朝比奈さんの手があたしの肩から離れた。
「日づけが変わっていないから、まだ誕生日だよ」
朝比奈さんが言った。
ポンと、彼の手があたしの肩に置かれた。
初めてあたしに触れたその手は華奢だけど、骨張っていて男らしかった。
その手を見つめていたら、
「誕生日おめでとう、小春ちゃん」
朝比奈さんがそう言ったので、今度は彼の方に視線を向けた。
微笑んでいる彼の顔がそこにあったので、
「――ありがとうございます、朝比奈さん…」
呟くように、あたしはお礼を言った。
「今日はもう遅いから、明日改めてお祝いしよう。
今日は小春ちゃんに“誕生日おめでとう”って言えたから充分だよ」
朝比奈さんの手があたしの肩から離れた。