「あっ、おかゆですけど…」

「うん、食べるよ…」

おかゆのことを思い出して言ったあたしに、朝比奈さんはさえぎるように返事をした。

「じゃあ…」

あたしは床のうえに腰を下ろすと、土鍋を朝比奈さんの膝のうえに置こうとした。

「ちょっと待って」

何故だかわからないけれど、朝比奈さんに止められた。

「このまま置くのはちょっとダメかな…」

「えっ…ああ、熱いですよね」

床のうえに土鍋を置いたら、
「小皿とレンゲを持ってきてくれないかな…?

そこで食べるのは無理があるよ…」

朝比奈さんが苦笑いをした。

「あっ…ああ、はい」

あたしは返事をすると、小皿とレンゲを取りに行くために部屋を後にした。
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