恋

ううっ、緊張し過ぎで吐きそうになってきた…。

「うん」

朝比奈さんが首を縦に振ってうなずいた。

「えっ？」

何が“うん”で、何で首を縦に振ってうなずいたんですか？

訳がわからなくて戸惑っていたら、
「美味しいよ」

朝比奈さんが言った。

「あっ、そうですか…」

何だか拍子抜けしてしまった。

朝比奈さんの答えに横顔を見つめて、結果発表を待って緊張していた自分が滑稽に思えた。

「初めてにしてはよくできたと思うよ。

おかわりもらってもいい？」

朝比奈さんが空っぽになった小皿とレンゲを差し出してきたので、
「あっ、はい…」

あたしはそれを受け取ると、またレンゲでおかゆをすくって小皿に入れた。