事情聴取を終えたので、伊勢谷さんと一緒に事務所を後にした。

「本当にすみませんでした」

事務所を出ると、あたしは頭を下げて伊勢谷さんに謝った。

「もう謝らなくていいから。

それよりも、僕にも詳しい事情を聞かせてくれないかな?」

そう聞いてきた伊勢谷さんに、あたしは頭をあげた。

「先に質問させてもらうけど、本当に結婚しているんだね?」

その質問に、
「はい、本当です」

あたしは正直に答えた。

今回の騒動に至った経緯を全て話し終えると、
「そう言うことだったんですね」

伊勢谷さんは返事をした。

「本当に食事をしただけなのに、彼はそれを浮気だと決めつけて…もちろん、ちゃんと事情を説明しました。

でも彼は信じてくれなくて、それで今回の騒動に…」

そう話を続けたあたしに、
「なるほどね」

伊勢谷さんは首を縦に振ってうなずいた。
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