「あたしは食事は静かに食べるものだと思っているので」

あたしは言い返すと、みそ汁をすすった。

両親が共働きだったと言うこともあり、1人で食事をすることが多かった。

だから、こうして誰かと食べるなんて言うことは初めてだ。

「俺は小春ちゃんのことがもっと知りたいからしゃべりたいんだけど」

「嫌です、ごちそうさまでした」

「えっ、早い」

驚いている朝比奈さんを無視すると、食べ終わった食器をキッチンへと運んだ。

「では行ってきます」

あたしはカバンを手に持った。

「あー、うん…行ってらっしゃい」

朝比奈さんが返事をしたことを確認すると、玄関の方に足を向かわせた。

スニーカーを履くと、ドアを開けた。
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