朝比奈さんの方が年上だから、当然恋愛経験は彼の方が上だ。

つきあった人数もたくさんと言う程ではないけれど、いることだろう。

「何て言えばいいんだろうな…。

自分で言うものおかしいんだけど、俺はつきあった女性にはとことんつくすタイプ…と言った方がわかりやすいかな?

そう言うタイプの人間なんだ」

朝比奈さんが言った。

「はあ、そうですか…」

言われてみたら確かにそうだなと、あたしは思った。

料理はもちろんのこと、迎えにきたりとかなんだとか…確かに、つくすタイプの人なんだなと思うところはあった。

「面倒見がいいと言う表現の方が近いかな?

子供の頃から父親に“女性は大事にしろ”と躾けられたせいか、とにかく彼女のことを大事にしなきゃって思って。

炊事洗濯などの家事はもちろんのこと、時にはおこづかいとしてお金をあげたりとか…まあ、いろいろなことをしてあげていたね」

朝比奈さんは自嘲気味に笑うと、前髪をかきあげた。
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