恋
映画を見るのは好きだけど、つるんで見ると考えはないので基本は１人で見るのが当たり前だ。

「ねえ、いいと思わない？

一緒に出かけたことなんてないじゃない」

「あー、そうですね…」

言われてみたら確かに朝比奈さんと一緒に出かけたことはない。

ラーメンの件に関しては、あれは彼が勝手にストーカー行為を働いただけなので一緒に出かけたと言うカウントには入らない。

「いいですよ、その日は特に予定は入れていませんから」

考えた末にあたしは結論を出すと、それを言った。

「えっ、ホント？

やった、よかったー」

あたしの答えがよっぽど嬉しかったのか、朝比奈さんは両手を口に当てた。

よかったも何も、提案を出したのはあなたの方じゃないのよ。

あたしは心の中で呟くと、紅茶を口に入れた。
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