指で画面を動かして表示させたのは、映画の公式サイトだった。

あたしが好きな少女マンガが原作で今日から全国の映画館で公開されたのだ。

本棚に視線を向けると、そこから1冊だけ映画の原作である少女マンガの本を取り出した。

先々月に発売された最新刊のカラフルな帯には映画の公開日と出演者の名前が書いてあった。

これを手にした当時、早く映画の公開日にならないかなと待っていたっけ…。

「まあ、いいか…」

あたしはそう呟くと、本棚にマンガを戻した。

次の休みに見に行けばそれでいい。

明日は提案した朝比奈さんが見たいものにあわせよう。

あたしは画面を閉じると、スマートフォンの電源を切った。

充電器にスマートフォンを取りつけると、明日に備えてベッドに入った。
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