恋
居酒屋に到着すると、店員に２階席へと案内された。

「こんばんは、お疲れ様です」

階段から顔を出すと、すでに人が集まっていた。

今日の飲み会の幹事である野々村さんと一ノ瀬さんはもちろんのこと、伊勢谷さんもその中にいた。

「おっ、田ノ下さん」

手を挙げてあいさつをした伊勢谷さんに、
「こんばんは」

あたしはあいさつを返すと、彼らのところに歩み寄った。

ハンガーにコートとマフラーをかけると、席に腰を下ろした。

席は掘りごたつ式になっており、足を伸ばすことができた。

「後は店長と…えーっと、誰がくるって言っていましたっけ？」

一ノ瀬さんが野々村さんに声をかけた。

「えっと、確か…」

野々村さんはテーブルのうえに置いていたスマートフォンで確認を始めた。
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