恋
正直なことを言うと、あたしはいつの間にか野々村さんと一ノ瀬さんが親しくなっていたことに驚いた。

年齢は２つ違うけれど、同期だと言うことをどこかで聞いたことがあった。

だけど所属している部署が違うので、たまに会ったらあいさつを交わす程度の中である。

そんな関係のはずなのに、２人はいつの間に仲良くなっていたのだろう？

つきあっている…と言うことはないよね。

そう思っていたら、
「田ノ下さん、何を頼みますか？」

野々村さんがあたしの前にドリンクのメニューを見せてきた。

「あー、そうですね…」

あたしはメニューを見ると、
「ファジーネーブルでお願いします」
と、言った。

「あっ、店長がきました！」

伊勢谷さんの声に階段の方に顔を向けると、店長がこちらに向かってくるところだった。
< 213 / 275 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop