「へえ、『ブルーグラス』か。

懐かしいな、10年前くらいだったかな?

俺もそこに行ったことがあるんだよね」

正直なことを言うとどうでもいいです、個人情報を言われても困ります。

「まあ、そう言う訳なので来週はご飯は作らなくていいです。

早く帰れたとしても11時過ぎになるかも知れないので、先に寝ていてください」

そう言ったあたしの話を聞いているのか聞いていないのか、朝比奈さんはできたばかりの酢豚をテーブルの方に運んだ。

せめて返事くらいはしてよ。

「食べようか?」

朝比奈さんがそう言ったのであたしはテーブルの方に歩み寄った。

椅子に腰を下ろすと、
「いただきます」

晩ご飯を一緒に食べ始めた。

昨日のパスタもそうだけど、酢豚もとても美味しかった。

イケメンで昔流行った3高で、優しくて料理もできると言うハイスペックなのに…本当に、どうして今の今まで結婚相手が見つからなかったのだろう?
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