「それはないよ、せっかくこうして一緒に寝ることになったのに」

「ダブルベッドって大きいですよね?

部屋が狭くなるんじゃないですか?」

「あー、それは困るかも…」

朝比奈さんが呟くように言った。

「もう寝ませんか?」

あたしがそう声をかけたら、
「そうしようか」

朝比奈さんが返事をした。

「おやすみ、小春ちゃん」

「おやすみなさい」

あたしは目を閉じた。

不思議だった。

絶対に眠れないだろうなと思っていたのに、目を閉じたとたんにあっさりと眠りに入ることができてしまった。

隣に朝比奈さんと言う思いが通じあった人がいるからだろうか?

その存在もあってか、あたしは安心して眠りに就くことができたのかも知れない。
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