モソモソと隣が動いたので眠っていた目を開けた。

カーテン越しからだけど、空が白み始めているのがわかった。

ああ、もう朝か。

寝ぼけた頭でそう思いながら隣に視線を向けると、朝比奈さんがふとんから出ようとしていた。

「――何をしているんですか?」

あたしが声をかけると、
「えっ…ああ、もう起きちゃったの?」

朝比奈さんは少しだけ驚いたようだった。

「おはよう、小春ちゃん」

朝比奈さんがあいさつをしたので、
「おはようございます」

あたしもあいさつを返した。

「それで、こんな朝早くから何をしているんですか?」

躰を朝比奈さんの方に向けると、もう1度彼に声をかけた。

「この時間はいつも小春ちゃんは寝ているもんね」

朝比奈さんはフフッと笑うと、
「これから散歩に行くんだ」
と、言った。
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