「散歩ですか?」

あたしが聞き返したら、
「いつもこの時間に起きて、朝の散歩をしに行くんだ」

朝比奈さんは答えた。

「そうなんですか」

あたしは言った。

早起きだなとは思っていたけれど、こんな時間に起きていたんだ。

そう思っていたら、
「小春ちゃんも一緒に行かない?

とても気持ちがいいよ」

朝比奈さんが誘ってきた。

一瞬断ろうかと思ったが、起きてしまった以上は2度寝は無理だなと思った。

すっかり目が覚めてしまった。

「いいですよ」

あたしは返事をすると、躰を起こした。

「じゃあ、準備が終わったら玄関で待っててね」

「はい」

あたしはふとんから出てベッドを降りると、着替えをするために自室へと足を向かわせた。
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