チラリとあたしは朝比奈さんの顔を見ると、
「じゃあ、もらってもいいんですね?」
と、確認をした。

「どうぞ」

朝比奈さんが返事をしたことを確認すると、
「ありがとうございます」

あたしは彼の手から最新刊のコミックを受け取った。

「それから、もう1つ」

朝比奈さんがテーブルのうえに何冊かの冊子を置いた。

どれもブライダル関係の冊子だった。

「えっと、これは…」

朝比奈さんはあたしの顔を覗き込むと、
「結婚してから半年が経ったから、それを祝して…と言うのはおかしいけれど、もう挙式をしない?」
と、言った。

「い、いいんですか?」

あたしがそう聞いたら、
「俺がいいって言ってるから、後は小春ちゃんの返事を聞くだけだよ」

朝比奈さんが言った。
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