次の日はお互いの両親へのあいさつと結婚式の報告をした。

「小春が実家に帰ってきた時はどうなるかとは思ったが、無事に仲直りしたみたいでよかったよ」

報告を終えた後、父がホッとしたと言った。

「これで安心できますね。

後は孫の顔を見るのを待つだけですね」

母が笑いながら言ったので、
「ちょっと、お母さん」

あたしはたしなめるように言った。

孫の顔って、いつの話をしているのよ…。

本当にどうでもいいけれど、まだ躰の関係にまでは踏み込んでいない…。

チラリと隣に座っている朝比奈さんも視線に向けると、彼は苦笑いをしていた。

何て言えばいいのかわからなくて戸惑っているみたいだ。

そう思っていたら、
「とりあえず、楽しみに待っていてください」

苦笑いをしながら朝比奈さんが言った。
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