恋

「あー、楽しかったー！」

やっぱり、ライブはテンションがあがるなー！

会場を出ると、冷たい空気が躰を包んだ。

暴れて熱くなった躰にこの冷たい空気はとても心地よかった。

なっちゃん、今日も美人だったなあ…！

宗助さんも瑛太もやっさんもかっこよかった…！

コインロッカーに預けていた荷物を取り出して忘れ物がないかどうかの確認をした。

「さて、帰ろう」

腕時計に視線を向けると、１０時を過ぎたところだった。

今から帰ったら１１時になるのは間違いない。

朝比奈さんには先に寝てと言ったので、彼はもう寝る準備を始めているだろう。

そう思いながら駅に向かおうとしたら、
「小春ちゃん」

聞き覚えのある声があたしを呼んだので振り返った。