「えっ…?」

何でここにいるんですか?

家にいるはずの朝比奈さんが目の前にいることに、あたしは驚いた。

朝比奈さんはあたしの前に歩み寄ると、
「迎えにきちゃった」
と、はにかんだように笑った。

「む、迎えにきたって…あたし、先に寝ていてもいいって」

呟くようにそう言ったあたしに、
「心配だから迎えにきたんだよ。

もう夜も遅いんだから、女の子が1人で出歩くのは危険だよ」

朝比奈さんが言い返した。

「でも、どうやって…」

「車できた」

そう言って朝比奈さんは後ろの方にある車を指差した。

「わざわざ車でここまで迎えにきたんですか?」

そう聞いたあたしに、朝比奈さんは首を縦に振ってうなずいた。
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