第3章*旅行
「えーっと、こんなもんでいいかな」

床のうえにそろえた荷物にあたしは呟いた。

いつものように仕事から帰ると、明後日に控えている社員旅行の支度をしていた。

フェイスタオルと前髪をとめるためのカチューシャ、洗顔フォームと化粧水、1日分の下着と靴下…と言うように、だいたいの用意は終わった。

肝心の服は…初日は白のシャツとベージュ色のベスト、翌日はピンクのシャツと黒のセーターでいいか。

地味なような気もするけれど、これくらいがベストな気もした。

何しろ、他の店舗からも参加者がくるからなあ。

変な格好をして印象を悪くしてしまったら気が気じゃない。

これにチェック柄のスキニーパンツと黒のスニーカーを履けば…うん、完璧だな。

黒のトートバックに用意した荷物を入れると、用意した服をクローゼットの中に入れた。
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